Manggha(マンガ・日本美術技術センター)にて

日本美術技術センター“Manggha”は、「京都−クラクフ基金」により1994年11月、ヴィスワ川のほとり、クラクフの王城ヴァヴェルの対岸に開館しました。浮世絵をはじめとして、掛け軸、屏風、甲冑、刀剣、鍔、陶器、印篭、根付けなどの日本美術品がギャラリーに常設展示されています。また、その内側に位置する特設展示場では、日本の最新技術と現代美術が紹介されています。

“Manggha”には、約7000点の日本美術品コレクションがあります。
これらのほとんどは、フェリクス・ヤシェンスキという1人のポーランド人が19世紀末から20世紀初めにかけて収集し、1920年にクラクフ国立博物館に寄贈したものです。このセンターの通称「Manggha(マンガ)」とは、浮世絵を愛した彼が「北斎漫画」からとった自分のニックネームでした。

「灰とダイヤモンド」や「地下水道」などの作品で知られる、ポーランドを代表する映画監督アンジェイ・ワイダは、青年の頃ある展覧会でクラクフの日本美術品を観て衝撃的な感動を受けました。
その感動は現在の彼を創り出した一要素として以来彼の心にとどまり、1987年に、日本において科学芸術の貢献者に与えられる「京都賞」を受賞した時、この賞金を基に「京都−クラクフ基金」を提唱することになりました。この基金は、クラクフの日本美術品を常設できるセンター建造を目的とし、岩波ホールを拠点として募金活動が展開されました。そしてたくさんの企業・団体・個人、そして日本大使館の協力の結果、センター“Manggha”が生まれたのです。

「日本・ポーランド交流写真展 Tomorrow is Today」クラクフ展は、“Manggha”特設展示場において11/18から開催されています。日本側アーティスト一行は搬入、シンポジウム、オープニングレセプションに参加し、現地アーティスト、美術関係者らと交流を深めることができました。

マンガへ向かう日本側アーティスト一行(バス停にて)

11/16、搬入一日目の朝、Mangghaに向かう一行。
不慣れなバスに乗ってドキドキ。

Mangghaの建物は、日本の建築家・磯崎新氏の設計です。
「…川の流れのように打つ波が交差するような屋根の構造を作りました。外壁はポーランドで採掘された砂岩で仕上げました。建物内部は、ポーランドにまだ残存しているレンガ造や木造のような伝統的な工法を使いました。」(磯崎氏のことば・パンフレットより)

これがマンガです

カフェ「琵琶」

Mangghaのロビーには、喫茶「琵琶」があります。
川に面する側はガラスばりになっていて、ヴィスワ川とヴァヴェル城を一望できます。
夏には、川沿いの小径から直接入れる屋外のテラスがオープンするとのこと。
この写真のケーキは写真家Olek氏の差し入れですが、ここではコーヒー・紅茶などはもちろん、日本茶、おにぎりなどの日本食品も楽しむことが出来ます。

ギャラリーには、マンガに収蔵されている古い日本美術作品が常設されています。
浮世絵の色の鮮やかさが印象的でした。
中央に写っているのは、ディレクターBogna Dziechciaruk-Majさんです。

ギャラリー

展覧会の会場になる部屋(搬入前)

マンガ内特設展示場。ここでクラクフ展が開催されます。
(搬入前の状態です)

●搬入風景  ●シンポジウム・オープニングレセプション

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