地下鉄の階段を降りようとした時

そいつはぶつかってきた

髪の毛はボサボサで、歯は欠け落ち、

昔、近所に住んでいた気違い犬のようだった

ぶつかった場所を手で払うと、

小さな光がいっぱい弾け、空に飛んで消えていった

そいつは振り返ると、ニヤッと紫色の歯茎を見せ、

笑ってるのか怒鳴ってるのか分からない口調で言った

「ノロイ奴にだけ、そいつは見えるのさ、

もっとゆっくりやれよ」

 

Close